一般枠と障がい者雇用枠のどちらに応募するかで、応募書類の記載内容や面接での回答内容は変わってきますが、どちらに応募するにしても伝え方によって企業が受ける印象は大きく変わります。
特に障がい者雇用においては、企業側から苦手なことや配慮してほしいことを聞かれる、または伝える機会があるかと思います。
何を伝えるかは人によって違いますし、伝えてはいけないことの明確な基準もありません。
しかしながら、配慮事項_つまり合理的配慮を求める(伝える)場合、伝え方を工夫することでプラスにもマイナスにも企業の印象は変わります。
なぜなら、合理的配慮は企業・障がい者のどちらか一方の要望や、事情のみを考慮するものではないからです。
企業はその求められた「配慮」が、自社にとってどの程度負担となるかを意識しています。
上手く伝えることができれば、「自律して働ける人」「やる気のある人」といった印象を与えることができますし、反対に「色々と配慮しないと働けない人」「自分では何もしない人」といった形で捉えられてしまう場合もあります。
伝え方を工夫することで自己PRにもなりますが、正直どう工夫すればいいのか分からない人もいるかと思います。
そこで、色々と方法はありますが、代表的なものに「リフレーミング」というものがあります。
リフレーミングとは?
リフレーミングとは、理想的な状態に向かうために、物事を認知する枠組みを別の枠組みで捉えなおすことをいいます。
枠組みは英語で「Frame」、そのフレームを改めることから「Reframing」と呼ばれます。もともとは心理用語として家族療法などで用いられていましたが、現在はビジネスシーンなど幅広い分野で用いられている技法です。
リフレーミングは幾つかの種類に分けられます。
◆視点のリフレーミング
最も一般的な方法で、コインの裏表のように、視点がネガティブな面からポジティブな面に近づくよう角度を変えるもの。
◆文脈のリフレーミング
現在の環境では役立たないことも、環境が変化すれば有益になるかもしれないというもの。
◆意味づけのリフレーミング
ある事柄の意味の度合いを変えるもの。
※かつて所有することが豊かさの象徴として捉えられていましたが、現在ではミニマリストという概念ができ、所有しないこと対してポジティブな印象構成に成功しています。
例えば、「臨機応変な対応が苦手」といった特徴がある人がいるとします。
企業に伝える際にリフレーミングしないものと、リフレーミングしたものを比べてみましょう。
◆変容前
・臨機応変な対応を求められると慌ててしまいます。
(対策)
一度、深呼吸をしています。
・作業手順の変更が苦手です。
(配慮)
慣れるまで、結果を確認していただけると安心して作業できます。
◆リフレーミング後
・臨機応変な対応が苦手なため、急に手順を変更することが難しいです。
(対策)
一度気持ちを落ち着かせてから、変更内容を確認するようにしています。
変更内容をメモに取り、間違えがないよう適宜確認するようにしています。
(配慮)
手順を変更する際は、できるだけ前もって伝えていただけると、スムーズに対応することができます。
いかがでしょうか?
同じ内容を伝えるにしても、リフレーミング前と後では後者の方が表現も柔らかく、更に前向きな印象を与えます。
ここで注意したいのが、リフレーミングは表面的にポジティブな言葉を使えばいいというものでないということです。
リフレーミングはあくまで物事の枠組みを捉えなおし、理想的な方向を向くためのものになりますので、現在のフレームや言葉を尊重しながら変容していく必要があります。
つまり、事実にないことを伝えることではないということです。
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