親子関係は全ての人間関係のベースとなるものですが、子供の年齢によって少しずつ変化していくものです。
私たちにとって、「親」は生まれてから初めて関係を築く身近な存在であり、子供は親に「依存」することから始まります。
この関係は、子供は自分のして欲しいことを親に叶えてもらい、危険から守ってもらう状態にありますが、徐々に自分でできることが増えてくると、「自分でやりなさい」などといった形で躾が始まります。
すると、親に依存している子供は「いままでやってくれたのに、なんでしてくれないんだ!」「何で好きなものを買ってくれないんだ!」などと、当然不満を持つようになります。
これは万能感に囚われている状態にあるからであり、通常であればこのような親との体験を通じて万能感と決別していきます。
つまり、自分のして欲しいことは全て叶うわけではないことを学び、そこから親に頼らずとも自分でなんとかしようと、自立が始まっていくのです。
しかしながら、障がいを持った子供と親では、子供の自立を促していく関係を正しく構築していくことができない場合があります。
親にとって子供は自分の愛情を受け取ってくれる存在であり、通常は自立した立場から子供のことを心配するものです。
しかし、病気や障がいがあることでこの心配が大きくなりやすいため、「転ばぬ先の杖」となって過剰に配慮、干渉したり、また、問題行動に至らないよう子供の言うことを聞くといった、自立から依存の立場へ変わっていってしまうケースがあります。
すると、子供は常に自分のして欲しいことを親から叶えてもらう、辛いことが排除された安全な環境を与えてもらうといったことを「当たり前に享受できること」と認識してしまうため、自立することが非常に困難になってしまいます。
当然ながら、社会では障がいの有無にかかわらず、周囲の人たちが自分のことを完璧に面倒見てくれるわけではありませんので、「自分では何もできない」といった状態に陥ってしまいます。
この時に万能感や依存との決別ができればまだいいのですが、中には意図的に問題行動を起こしたり、希死念慮をほのめかすことで、親をコントロールしようとする場合があります。
これは疾病利得を得ている状態にあるため、更に自立を妨げることになってしまいますが、
子供の多くは自覚していません。
また、親も同様に子供への干渉が当たり前、または「仕方ない」と認識していることが多いため、親自身が子供に依存していることに気づいていないことがほとんどです。
このように、依存しあう関係にある親子を共依存親子といいますが、お互いが無自覚であるため異常な状態に気づくことができず、依存していることに疑問を持たずに過ごしているケースが多くあります。
この様な関係が続くと、親子で社会から孤立した状態が続いてしまうため、8050問題などのケースに発展することもしばしば認められます。
では、共依存にある不健全な親子関係を断ち切るためにはどうしたらよいか_。
まずは当事者である親と子供が、共依存であることを自覚することか重要です。
先述にもある通り、社会から孤立しているケースが多いですが、第三者に相談するなどして客観的な意見を取り入れましょう。
そして、子供を変えるのではなく、親が変わるといった意識を持つことが重要です。
特に過干渉な親は、子供の行動に口出しせず、見守る努力をしていくことが大切です。
今回のブログはここまでとなりますが、My Pieceおだわらでは障がい当事者の方だけではなく、ご希望に応じて保護者の方の困りごとやご不安などの相談も賜っております。
毎月第3土曜日に「保護者説明会」も開催しておりますが、このほかにもどのようなサポートが受けられるかもっと知りたい、またはオフィスの雰囲気を見てみたいなど、ご興味のある方はお気軽にご連絡ください。
~お互いの違いを認め合い、自分らしく活躍できる社会をつくる~
一般社団法人マイ・ピース
就労移行支援事業所/就労定着支援事業所
My Pieceおだわら
TEL:0465-20-4640
Comments