人は誰しも、「他人から認めてもらいたい」「自分を価値ある存在として認めたい」といった承認欲求を持っています。
しかし、この承認欲求を満たすことに囚われてしまうと、人間関係や社会生活を送るうえで支障をきたしてしまうケースが多くあります。
承認欲求は人間関係に大きく影響する欲求であり、相手の承認欲求を満たせるような関わり方は相手の心を開き、良い関係を築くことにつながりますが、自分の承認欲求を満たすことに執着してしまうと、反対に相手から敬遠されてしまいます。
例えば、「他人から褒められたい」「他人からすごいと思われたい」といった承認欲求のことを賞賛獲得欲求といいますが、あなたの周りに自分のことばかり認めて欲しい人がいたら、あなたはどう感じるでしょうか。
SNSなどでも「いいね」を獲得したいあまり、炎上してしまうケースが度々見られますが、承認欲求を満たすリスクを理解していながらも、他人に求めてしまうのは何故なのでしょうか?
アメリカの心理学者であるマズローは、人間の基本的欲求を①生理的欲求、②安全の欲求、③社会的欲求(所属と愛情の欲求)、④承認欲求、⑤自己実現欲求の5つに分け、低次の欲求が満たされると次の段階の欲求を求めるといった、欲求段階説を提唱しています。
日本などの先進国においては、内戦などが起こっているような国と比べて、①~③の欲求は比較的満たしやすい環境にありますが、これは誰もが承認欲求を求めやすい環境にあるといえます。
つまり、誰もが自分を認めてもらいたいと思っているわけですから、他人から認めてもらうことは容易でないことが分かります。
自分が相手から認められたいと思うとき、その相手も自分を認めてもらいたいと思っているということを意識することが大切です。
承認欲求が強くなる理由は様々ですが、その中でも「自分で自分のことを認められない」ことが圧倒的に多い傾向にあります。
人は誰しも「自分から認められたい」という欲求をもっており、これを自己承認欲求といいます。
他人からどれだけ認められても、自分が自分のことを認められなければ、幸せを感じることはできません。
しかし、以前のブログでも少し触れましたが、日本人の自己肯定感は世界的に見ても圧倒的に低いため、自己承認欲求を満たせない人が多いのが実情です。
そのため、この満たされない欲求を、別の形で解消とする思いが強くなりやすい傾向にあります。
このことを欠乏動機といいますが、この欠乏動機こそが承認欲求を強くする一番の要因であり、自分以外の人から認めてもらう_つまり他人から認めてもらうといった、他人からの承認に依存する原因になります。
しかし、この他者承認欲求は低次の欲求であるため、高次の欲求である自己承認欲求が満たされない限り、いくら他人から認められても自分の気持ちが満たされることはありません。
ビジネスの場においても、上司や同僚、部下に自分の承認を求めることは、関係を悪化することにつながりかねませんので、まずは「自分のことを認める」努力をすることが大切です。
今回のブログはここまでとなりますが、My Pieceおだわらではセルフコンパッションをはじめ、他者との良好な関りを維持するための様々なプログラムがあり、スタッフとの面談を通じて、安定就労に必要なセルフケアスキルを身につけることができます。
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